【目の健康】目のしくみと視力【近視・遠視・乱視・老眼】

僕たちはふだん、さまざまな情報を目から得ています。視覚情報なしでは立ち座りの動作さえもおぼつかないでしょう。

あまりにも当たり前に存在しすぎていて、この重要な身体器官である「目」のことを僕たちはほとんど知りません。

ここでは基本的な目のしくみとはたらきを勉強しておきましょう。

目の役割

目は五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)をはじめとしたあらゆる感覚の中でも特に多くの情報を得ています。

人が外から取得する全情報のうち、約9割は視覚から得ているのです。

ほとんどの人にとって、視覚を欠いた生活は想像もできないことでしょう。

情報を伝える役割

「目は口ほどにものをいう」や「目で合図する」などの表現があるように、目は伝達の手段としても大きな役割を担っています。

視線や目の開き方・動かし方などで、感情などの情報伝達をすることができます。

この情報伝達には意識的なもののほかに無意識的なものもあります。

たとえば、不安感や恐怖感、あるいは自信や期待、興奮などが、ときとして意図していないのに目で他人に伝わってしまうこともあるでしょう。

体の不調を知らせる役割

目の状態を見ることにより、その時の体の不調がわかる場合があります。

  • 目が充血している
    →疲れがたまっている
  • 白目が黄色っぽい
    →肝機能に異常がある
  • クマができている
    →寝不足である
    →腎臓に異常がある

など

目の構造

目はとても多くの器官から複雑に構成されています。

各器官がそれぞれ連携して、視覚としての機能を果たします。

目は視覚機能の主部となる眼球と、眼球の機能を補佐する副眼器に分けることができます。

さらにそれぞれ細かい器官から構成されています。

目をカメラにたとえると?

目のしくみとはたらきはカメラにたとえることができます。

しかしその実力は、カメラなどとは比べ物にならないほど複雑で高機能、高精度です。

カメラのパーツと目の器官を対比してみましょう。

  • レンズ
    →角膜
    →水晶体
  • レンズキャップ
    →眼瞼(まぶた)
  • しぼり
    →虹彩
  • ピント
    →毛様体
  • 網膜
    →フィルム(撮像素子)
    →硝子体
    →レンズとフィルムの間の空間
  • 強膜
    →ボディー

眼球

視覚を司る末端の主要器官で、いわゆる「目玉」のことです。

角膜

眼球の前方約1/6を占める透明の膜で、黒目にあたる部分です。

角膜自体は透明ですが、後ろに虹彩と瞳孔があるため、黒く見えます。

角膜は外の光をとり入れる窓の役割を持ちます。

レンズ機能(外からはいった光を屈折させる機能)があり、眼球における屈折力の約70%を担います。

表面は涙の層でおおわれており、常に代謝されています。

レーシック手術は、角膜を削ることによりレンズの屈折力を改善するものです。

虹彩

虹彩は強膜(白)と瞳孔(黒)の間にある茶色い部分です。

虹彩には外から瞳孔に入る光の量を加減する機能があります。

筋肉の伸縮により、光の量が多い(明るい)ときは瞳孔を小さくし、光の量が少ない(暗い)ときは瞳孔を大きくします。

瞳孔

虹彩によって周囲を囲まれた孔です。

虹彩のはたらきにより、周囲の明るさに応じて外から見える瞳孔の大きは変わります。

毛様体

毛様体は前方にある虹彩と、後方にある脈絡膜の中間にあります。

水晶体を支えるとともにその厚さを調節(焦点合わせ)します。

水晶体

外からはいった光を屈折させるレンズのはたらきをします。

無色透明で、厚さ約4mm、直径約9mm程度の凸レンズの形状をしています。

体眼球における屈折力の約30%を担います。

毛様体の伸縮により、厚さを買えることで焦点の位置を調節します。

水晶体は加齢とともに硬くなるため、レンズとしての機能は徐々に低下します。

硝子(しょうし)体

水晶体と網膜の間を満たす無色透明なゼリー状の組織で、ガラス体ともよばれます。

眼球の内圧や形状を保つはたらきがあります。

網膜

視細胞と視神経が分布する視覚器の最重要部で、眼底ということもあります。

とても柔らかく剥離しやすい膜です。

外の光がこの膜上で像を結ぶことによって視覚情報が脳へ伝えられます。

視細胞(錐体細胞と杆体細胞)

視細胞とは光受容細胞ともよばれ、外から入ってきた光を感知し電気信号に変換する細胞組織です。視細胞には錐体細胞と杆体(かんたい)細胞の二種類があります。

錐体細胞は細かいものを見分けたり色を識別する細胞で、黄斑部に密集します。

杆体細胞は主に光の明暗を感知する細胞で、中心窩を除く網膜全面に広がっています。

視神経
視覚を脳に伝える神経繊維の集まりです。
黄斑・中心窩

網膜の中央奥にある、ひときわ濃い黄色の部分が黄斑です。

直径は1.5~2mmで錐体細胞の密度が高く、網膜の中でも特に視力の鋭敏な範囲となります。

黄斑の中心に、直径約0.35mmで周囲の網膜より少し凹んで中心窩とよばれる点があります。

ここが黄斑の中でもいちばん視力が鋭敏な部位となります。

読書や映画鑑賞、運転、その他詳細な視覚的情報の扱いに際してはこの部位が機能します。

脈絡膜

強膜の内側にあり、眼球内部を暗くして散乱光を吸収したり、網膜の外の栄養を視細胞に摂り入れたりするはたらきがあります。

強膜

眼球の後方約5/6を占める白目の部分です。

眼球内へ不必要な光が入るのを防いだり眼球の形を保ったりしています。

副眼器

副眼器は、眼球を保護し、眼球の機能を補助する器官です。

涙腺と鼻涙管(涙器)

涙の分泌と排出にかかわる器官です。

涙を分泌するのが涙腺、排出するのが鼻涙管(涙道)です。

排出された涙は最終的に鼻腔へ流れます。

涙腺より分泌された涙の約10%は眼球の表面より蒸発するため、鼻涙管より排出されるのは約90%となります。

涙は眼球の表面を潤し、異物などを洗い流し、角膜を透明に保ちます。

また、角膜に酸素を供給する役目もあります。

眼瞼(上眼瞼、下眼瞼)

眼瞼(がんけん)とは「まぶた」のことです。

上眼瞼(じょうがんけん)と下眼瞼(かがんけん)があり、眼球を覆い、目全体を保護しています。

また、まばたきによって角膜の表面を涙で潤す働きをしています。

結膜

強膜と眼瞼の裏側をつなぐ役割を持つ薄い粘膜です。

また、粘液を分泌して眼球の表面を潤します。

睫毛(まつ毛)

まぶたの縁に生えている毛です。

睫毛の根元にある神経は敏感なため、異物が触れると反射的にまぶたが閉じられ、目を保護します。

【図解】「見る」メカニズム

目で捉えられた光は眼球内でつぎのように処理されています。

  1. 光は角膜と水晶体の調節力により屈折させられる
  2. 屈折した光が網膜上の黄斑部(中心窩)に当たる
  3. 網膜への刺激が視覚情報として脳に到達する

調節力

目は近くを見るとき、毛様体を動かすことで水晶体の厚さを変えて屈折率を調節し、網膜に焦点をあわせます。

この機能を調節力といいます。

目の機能を知るとき、この調節力はとても大切です。

調節力は遠くを見るときはほとんど機能していません。つまり、遠くを見ているときは疲れない状態ということです。

目がリラックスしているとき、つまり調節力をはたらかせていない状態で遠くを見たとき、網膜に焦点が合う目の状態を「正視」といいます。

ただ、実際には網膜に焦点が合う人は少なく、大多数は屈折異常という状態です。

屈折異常では、網膜の前後で焦点があってしまいます。

近視や遠視、乱視などの種類があります。

【屈折異常・調節異常】近視・遠視・乱視・老眼とは?

「目が悪い」や「視力が低下した」というのはどのような状態のことなのでしょうか。

目の悪さを表現する単語として「近視」「遠視」「乱視」「老眼」の4つをよく聞くと思います。

これらのうち「近視」「遠視」「乱視」は「屈折異常」という状態のことです。

これに対して「老眼」は「調節異常」という状態のことです。

対して、屈折異常でも調節異常でもない状態を「正視」といいます。

屈折異常

目がリラックスして遠くを見ているときの焦点(ピント)の位置で、目の状態を分けることができます。

遠くを見ているときとは、毛様体の伸縮による光の屈折率の調整がされていない状態です。

このときにものがはっきり見える場合は「正視」といいます。

これは、光が角膜と水晶体で適度に屈折し、網膜上(黄斑部の中心窩という場所)で像を結んでいる(焦点があっている)状態です。

これに対して、網膜ではなく網膜の前後で像を結んでいる状態を「屈折異常」といいます。

屈折異常には近視、遠視、乱視がありますがあり、ものがぼやけて見えます。

この状態をカメラにたとえると、レンズの厚さとレンズとフィルムの距離が適切でないため、ぼやけた写真が撮られてしまうようなものです。

完全に正視の人は少なく、ほとんどの人には何らかの屈折異常があります

正視

正視の人はリラックス状態で網膜に焦点があっているため、遠くがよく見えます。

正視

近視

網膜の前で焦点があってしまっている状態で、遠くのものがぼやけて見えます

近くのものは調節力がはたらくことによりよく見えます。

近視

近視には主に軸性近視屈折性近視があります。

軸性近視とは、角膜から網膜までの長さ(眼軸長)が長すぎるために網膜の手前で焦点があってしまうタイプの近視です。

屈折性近視とは、角膜や水晶体の屈折力が強く水晶体が厚くなりすぎるために網膜の手前で焦点があってしまうタイプの近視です。

近視の人の大多数は軸性近視です。

ほかに、一時的な症状である仮性近視や眼球の変化による病的近視があります。

メガネ、コンタクトレンズ、レーシックなどの手術により視力矯正をすることができます。

遠視

網膜の後ろで焦点があってしまっている状態で、リラックス状態では遠くのものがぼやけて見えます

遠視は遠くがよく見えると誤解している人が多いですが、焦点があっていないため、近視と同様ぼやけて見えます。

遠視

なぜ、遠くがよく見えると誤解しやすいかというと、調節力がはたらき焦点があってしまうからです。

通常、遠くを見つめることは目を休めることにつながります。

しかし遠視の場合は、遠くを見ても調節力がはたらいてしまうため、目が疲れやすい傾向にあります。

遠視も近視と同様軸性遠視屈折性遠視があります。

軸性遠視とは、角膜から網膜までの長さ(眼軸長)が短すぎるために網膜の後方で焦点があってしまうタイプの遠視です。

屈折性遠視とは、角膜や水晶体の屈折力が弱く水晶体が薄くなりすぎるために網膜の後方で焦点があってしまうタイプの遠視です。

こちらもほとんどの場合は軸性遠視です。

乱視

角膜や眼球の歪みにより、焦点のあう位置が複数できる状態のことです。

正乱視と不正乱視があります。

正乱視は角膜が同一方向に歪んでおり、2箇所で焦点があいます。

これに対して不正乱視は角膜が不規則に歪んでおり、焦点があわないか複数箇所に焦点があいます。

近視や遠視と組み合わさって起こる場合がほとんどです。

調節異常

老眼が代表的な症状ですが、ほかにも調節麻痺、調節衰弱、調節けいれんなどがあります。

老眼

眼科用語では老視(ろうし)といいます。

多くは40歳前後からはじまる目の老化です。

水晶体の弾力性が弱まったり毛様体筋が衰えたりすることにより調節力が低下し、近いところが見えにくくなります。

また、虹彩の動きが悪くなる症状もでます。

虹彩は、明るさに応じて伸縮し、目に取り入れる光の量を調整するのですが、加齢に伴って動きが鈍化し、薄暗い場所がみえにくくなったり、色のコントラストがわかりにくくなったりします。

遠視と老眼の違い
遠視

遠視は屈折異常です。

遠くのものは調節力によって網膜に焦点があうようになりよく見えるようになります。一方、近くのものは調節力が不足して見えにくいです。

老眼

老眼は調節異常です。

調節力の低下により、見える範囲が狭くなります。

調節力は焦点を前方に移動させる機能ですので、この機能が低下した場合、相対的に近くよりも遠くのほうが見やすく感じるのです。

視力回復、視力矯正方法

ここであげた近視、遠視、乱視、老眼については、すべて視力矯正が可能です。

矯正方法は以下が主となります。

  • レーシックなどの手術
  • メガネ
  • コンタクト

できることなら器具等による暫定的な矯正ではなく、根本的な視力回復、つまりレーシックなどの手術をおすすめします。

レーシック手術は技術的にも信じられないほど進化しており、安全かつ低価格で視力を取り戻せます。

メガネやコンタクトレンズの煩わしさなしで、クリアな視界を手に入れられます。

僕も含めてレーシックなどの手術を受けた多くの人が、手術後のあまりの世界の変わりように感動を覚えた経験をしています。

視力を取り戻してもういちど快適な生活を送ってみませんか!?

まとめ

目という器官がいかに緻密に出来上がっているか分かると思います。

一生の付き合いですので、大事にしましょうね。

おわり

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